グノーシス主義の教義



「あなたがたの中に、自分の妻が暴力団に蹴られ殴られて、貢がされているものがいるとする。
暴力団の仲間達は、たくさんいて、その分け前を受け取っている。
その妻の、主人が帰ってきたとき、彼は妻を助けてやりたいと思い、暴力から救い出し、借金を妻に対して返すように求めた。
これは果たしておかしな行為だろうか」。



「あなたがたの、知り合いの子どもが亡くなって、埋葬されたとする。
年若くして亡くなった子どもをみて、あなたがたはどう思うだろうか。
一本なりと花を添えてやりたいと思うか、放っておいてやりたいと思うか」。



「道に自転車が二つあり、片方は白く片方は黒い。
車輪は回転して働いて、道を滑走していく。
どこへ向かうかは、乗りこなす人間が決めているが、車輪はただ回るだけで、行き先を知ることはないだろう。
あなたがたは、良き人に乗りこなしてもらって、知恵を求めて、行き先を知りなさい」。



「あなたがたは、外に向かって戸を閉じている状態の家である。
家の中にはあらゆる邪悪なものが満ちていて、今にもあなたがたを食い尽くそうとしている。
ウェブ上に接続し、テレビをつけ、ラジオをつけるが、その情報は信用できるか分からないでいる。
心を、いっそ外に向かって開きなさい。
あなたがた一人一人と繋がっている、父を信じて心を開きなさい。
愛に生きれば、家は、外に向かって、戸を開くことができる」。



「あなたがたは、自分のことは自分でせよと、小さい頃からずっと言いつけられている。
確かに自分のことは、自分で何とかなるように思うだろう。
しかし実際は、どうだろうか。
ある人は、自分のことを自分で解決できず、困り果てた羊のように、なってはいないか。
この世のことでこうなるのなら、あの世のことだと、もっとどうにもなりはしないだろう。
それだから良き進むべき道を求めなさい」。



「あなたがたは、神の愛に、すでに捕らえられていることを知りなさい。
それは右から左に、左から右に移動して、煌めいている。
捕らえることはできないが、消失するようにみえて、いつも実存し、消えることはない。
愛は無限の中にいるのである」。



「まず、小さな親切心を育てなさい。
死んでいる愛ではなく、生きている愛を求めなさい。
腐っている水ではなく、澄んだ水は人を生活を支えるだろう。
死んでいる愛は形ばかりで、中には実体は、何もない。
生きている愛は小さくても人に届く。
何か、大きいことを、する必要はないのである。
小さな愛から、実践しなさい」。



「あなたの目を、悪魔が欲するなら、くれてやりなさい。
あなたの手を、悪魔が欲するなら、くれてやりなさい。
あなたの足を、悪魔が欲するなら、くれてやりなさい。
しかし私はあなたがたに言う。
心だけは食わせてやるな。
仏陀やムハンマド、イエスの愛で、心を満たしていなさい。
そうすれば悪魔は、あなたを、地獄に連れて行くことが難しい。
神からの賜物である愛を受け取っている間は、あなたがたはいつも平和である」。



「あなたは、自分がこの世には必要のない人間と、思ってはいけない。
その、心が渇ける状態を、優先しなさい。
心が渇いていると、真理に到達する速度が速くなる。
死のうと思うくらいならば、むしろ真理に繋がる、到達点を熱心に追い求めなさい。
あなたがた全員は、常に、他の誰かに求められているのだから」。

10

「多すぎる富を、捨てていきなさい。
あなたがたは、富に酔ってはいけない。
富は愛から遠ざかるための、有効な道具である。
あなたがたが、富で快楽を買うときに、それは如実に現れる。
快楽に溢れていると、人は、人間本質の苦しみから、遠ざかってしまう。
それでは、神の愛をみつけることはできないのである。
あなたがたが、渇きと苦しみの中で、本当の愛に触れたとき、あなたがたは、本当に変わるだろう」。